MARGO GURYAN

f:id:seiichiroslibrary:20181201012257j:plain

f:id:seiichiroslibrary:20181201012326j:plain

Margo Guryan - Take A Picture(LP)

 

♪Profile♪

Margo Guryan(マーゴ ガーヤン)。1937年9月30日、アメリカ合衆国ニューヨーク生まれのシンガーソングライター。1968年に’Take A Picture’で高い評価を得る。その後は作曲家、プロデューサーとして活動。
https://www.instagram.com/margoguryan/

 

♪Music♪

Take a Picture

Take a Picture

  • マーゴ・ガーヤン
  • ポップ
  • ¥1500

 

 

♫Interview with Margo Guryan♫ 

Q
What is the most important thing that you want to communicate to listeners through this?
A
I'm not trying to communicate with listeners...only hope they like the music.

Q
For that , how did you try to make these songs?
A
The songs came one-at-a-time. My husband showed them to record companies. One of those companies said "why not let her do it"...and Bell Records wanted to release the album. He also talked to Joel Brodsky about artwork...and Joel wound up taking the photos.

Q
Who inspired your vocal or sound ?
A
I wasn't much of a singer, and my husband, David Rosner, suggested doubling my vocal. It worked!

Q
What is the theme you are looking for through making music?
A
I wasn't looking for a "theme"...the songs came 'whole'...and were presented that way.

Q
この作品で一番伝えたいことはどんなことですか?
A
リスナーと理解し合おうとは思ってないのよね、、、ただ音楽を好きになってくれることだけを願っているわ。

Q
どんなところにこだわって作りましたか?
A
曲は一つずつやってきたわ。(当時プロデューサーでもあった)私の夫が楽曲をいくつかのレコード会社に提案して。その内の一社が、”彼女にやってもらってはどうか”と言ってくれて、、、そしてBell Recordsがアルバムをリリースすることになった。また夫はアートワークについてJoel Brodskyに話をして、彼が写真を撮ったのよ。

訳注:Joel Brodsky(1939-2007)。Brooklyn New York出身のフォトグラファー。The DoorsのJim MorrisonやIggy Popの写真がかなりクールです。このブログを見てくださってる方ならドンズバだと思います。
https://www.morrisonhotelgallery.com/photographers/8a3RSz/Joel-Brodsky

Q
あなたのボーカルやサウンドに誰が影響を与えましたか?
A
私はたいしたシンガーではなかったわ。私の夫でもあるDavid Rosnerが私のボーカルを重ねることを提案してくれて、それがうまく作用したのよ!

Q
音楽を通して探求していることは何ですか?
A
“テーマ”を探してはいなかったわ、、、曲は”そっくりそのまま”やってくるのよ、楽曲はそのように贈られてきたの。

 

♪REVIEW♪

New York出身の伝説的なシンガーソングライター、Margo Guryanをご紹介します。

私は元々知らなくて、以前ご紹介したMitchell Adam Johnsonが強く影響を受けたという話をきっかけに、この方の音楽の素晴らしさを知りました。まず聴いて思ったのが”BeckプロデュースのCharlotte Gainsbourgそのまんまじゃん!”と(笑)。もちろん実際は時系列的に逆なのですが。BeckサウンドプロダクションやCharlotteの歌い方などは明らかにMargoの作品を意識してやっていたのだと今さら思いました。

よくよく調べると正式なポップミュージックのアルバムとしては1968年発表の’Take A Picture’1作のみ。現在は81歳とのこと。今回特別に、このブログのための質問にお答えいただけました。ただかなり短く、インタビューの背景を知らないと初心者の方には回答の内容が不明瞭だなと。しかも他サイトでもMargoの日本語でのきちんとした紹介があまりなかったので、ウィキペディアの英語ページ(日本語ページはなし)を参照に彼女の紹介させていただきます。

1937年9月30日、ニューヨーク、クイーンズ地区ファーロッカーウェー(New York City, in Far Rockaway, Queens)生まれ。両親はともにピアノをやっていたようです。Margoは早い時期から詩を書き、子供の頃にピアノを紹介されてからはすぐに作曲をスタート。音楽一家の中でも彼女は抜きんでていたのでしょう。

それから彼女はボストン大学(Boston University)でクラシックとジャズを学びました。当時のアイドルはドラマーのMax RoachやピアニストのBill Evansだったそう。それからパフォーマンスを避けるためにピアノから作曲へと舵をきる。また、高校生の頃から作詞家としてレーベルから一目置かれており、大学時代にはジャズシンガーらに詩を提供。ジャズシーンを中心に活躍の幅を広げていました。この時期にジャズミュージシャンの方と最初の結婚をされました。

その後、The Beach Boysの’God Only Knows’ に影響を受け、’Take A Picture’にも収録された’Think Of Rain’を作曲。ジャズからポップミュージックへと移行していきます。当時、’God Only Knows’ についてこのように語っていたそうです。”ただ素晴らしいと思ったわ。私はレコードを買って、何回も繰り返し曲をかけたの。それから座って、’Think Of Rain’を作曲したの。本当にすごい方法で作曲を始めて。ジャズでやっていたやり方よりも、そっちのほうがよいと決めたのよ”。レーベルの秘書としての仕事も行いながら作曲家としても活動。その時期に後の彼女のプローデューサーであり夫にもなる、David Rosnerと出会ったようです。

再び彼女自身がアーティストとしてBell Recordsと契約し”’Take A Picture’を制作。Davidを含むいくつかのプロデューサーが手掛けた、ジャズに影響を受けたポップでメロディアスな作風の作品となりました。ただ、彼女はその後、ツアーをキャンセルします。理由は”エージェントやマネージャーなどが、どこに行け、どのようなルックスをすべき、どれを着るべきとさまざまな指示をするのに耐えられなかった。ジャズミュージシャンとの結婚生活を維持するためだった”ということになっています。これを受けてレーベルはアルバムのプロモーションを中止し、当時セールス的に大きなインパクトを起こすことには失敗したようです。彼女は表舞台を去り、Davidともにプロデュースやピアノのレッスンをするようになりました。彼女個人としての作品は長らく発表されず、2007年になって ’16 Words’というシングルを出し、2009年にはピアノの作品’The Chopsticks Variations’が上梓されました。

’Take A Picture’というアルバム自体は、その作品の質の高さから時の流れに埋もれることなく、多くの人々に影響を与え続けました。日本では特に愛され、リイシューもされていたようです。

私がMargoを知るにつれ、一番興味深く思ったことは、彼女のやったことだけでなく、やらなかったこと。つまり、大学生の頃にパフォーマンスを避け作曲に転向したこと、’Take A Picture’のレコードを制作したのにコンサートをやらなかったこと、それからそれ以降ほとんどシンガーソングライターとして表舞台に立つことがほとんどなかったこと、です。

これらについては、以下の2つから理由を推測できます。まず高校時代から早くもレコード会社から目をかけられ、お試しのレコーディングセッションをしたところ彼女の声ががネックとなりデビューはたち消えになったこと。次は、後述の彼女のインタビューから読みとれる、自分の歌に対しての自己評価の低さ。
つまり、”一貫してパフォーマンスを避けていた”そしてその理由は”歌うことへの自信のなさだった”のだろうと。音楽に精通しているだけに、高いレベルでの自身の要求に追いつかなかったことは容易に想像がつきます。ツアーのキャンセルも周囲への不満や結婚生活などは後づけで、”生で歌うことで聴衆をがっかりさせてしまうのではないか?”その不安こそが本音ではないかと私は思うのです。そしてまた、どうやらインタビューを読む限りは’Take A Picture’にもそれほどの深い思い入れがあるというわけでもないのかなと、個人的に感じ取る部分が正直ありました。

しかしそのような彼女の想いとは関係なく、この作品の素晴らしさ、特に彼女のささやくような歌声は今なお私たちの心を打ちます。ジャズのエッセンスと当時のポップミュージックが融合した独特のサイケ感や、ボーカルを重ねたプロダクションは効果的だったかもしれない。例えば’Love’という曲のアレンジはポップなThe Velvet Undergroundって感じでたまりません。でも、それだけでは後世に残るような作品にはやはりならなかったのだと、この作品の中核を占めるのは、明らかに彼女の歌声だと、思うのです。中でも’Someone I know’における、他のボーカリストに代え難いやさしいぬくもりに満ち満ちた歌声は秀逸です。他の人とは違う声、一般的な上手いとは違う声、それはタイミングによっては新しい音楽の世界を切り開きます。だから今我々が彼女の声を初めて聴いた時には違和感は全くなく、それは彼女の時代にとっては異形だった歌声がもはやひとつのスタンダードになっていることの表れなのでしょう。このことは奇しくも同じNew York出身のJulian Casablancasが成し得たことと同じだと思います。本作から約40年後にリリースされた’16Words’では当然のことながら彼女の声は変わっています。もっと録音されるべきだった声に、過ぎ去った時間に想いを馳せます。それでも’Take A Picture’というアルバムは、1960年代後半の空気感を捉えつつも固有の世界観を持ち、流れゆく時の中でも変わらぬタイムカプセルのように2018年においても新鮮な響きを放っています。そのような意味においては、まさに時代を切り取ったスナップ写真なのだと、そしてそれは瞬間であると同時に、時間としては完結している、つまり永遠なのだと感じます。その次元に我々はこれからもアクセスし続け、至福のひと時を過ごし続けるのでしょう。そして、ある者はそこでの体験を生かし、彼/彼女自身の新たなアートの糧とするかもしれません。そう、まるでMargoがThe Beach Boysから学んだように。

‘Take A Picture’はちょうど50年前の作品ですが、聴く前に身構える必要は全くないです。The BeatelsやThe Beach Boys並みに聴きやすい。それぐらいポップ、耳ざわりが最高です。最初の曲の’Sunday Morning’の10秒で気に入っていただけると思いますし、Apple Musicでも聴けるので試聴のハードルも低いです。ぜひぜひ。

 

♫Special Thanks♫

Jonathan Rosner

 

Thank you for reading.If you like , please share.
Please follow SEI LIBRARY on Instagram/Twitter that inform posting new article to you.Then I am looking for a supporter who translate my text from Japanese to English as a volunteer.

読んでいただきありがとうございます。気に入られましたら、ぜひシェアお願いします。また、Instagramではブログの更新をお伝えしております。

 

 

www.instagram.com

ALL RIGHTS RESEREVED.

転載不可.